駅前の将棋道場。あたりが暗くなっても、小学生たちの駒の音が外まで聞こえてくる。
数々のタイトルを獲得したアマチュア屈指の強豪・中川慧梧(けいご)さん(30)は昨春、市の職員になり、東京から移住した。「考えてもなかったけど、流れ着いたのがここでした」と笑う。
青森県八戸市出身。いとこの影響で小学2年で将棋を始めた。駒の動かし方を覚えるとすぐに、両親に街の道場に連れて行かれた。
「周りは段位を持ったおじいちゃんばかり。負け続けて、最初は本当に嫌だった」。だが厳しい環境ですぐに上達した。「大人と同じルールで戦い、同じ会話ができるのが楽しかった」
テレビで見る羽生善治さんらトップ棋士が「考えている姿」に憧れ、家では戦術書を繰り返し読んだ。6年生になると、小学生の全国大会で優勝した。
でも、挫折を繰り返す…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル